そしてカナリアがふるえる声で、子どもたちによびかけます。「ほらみんな、いらっしゃい! みんなとっくにおねむの時間よ!」なんだかんだと口実をつけて、みんなどこかへいってしまい、やがてアリス一人がのこされてしまいました。

 「ダイナのこと、いわなきゃよかった!」とアリスはゆううつにつぶやきました。「ここらだと、だれもあの子がすきじゃないみたい。ぜったいに世界で一番いいねこなのに! ああかわいいダイナ、もう二度とおまえに会えないんじゃないかしら」そしてここで、かわいそうなアリスはまた泣き出しました。とってもさびしくて、おちこんでいたからです。でもちょっとしたら、遠くのほうからピタピタいう小さな足音がきこえてきました。アリスはよろこんで顔をあげました。ネズミの気がかわって、おなはしを最後までしようとしてもどってきたのかな、とすこし思ったのです。